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持たざる者の生存戦略

人類最底辺に位置する人間の軌跡

クリエイターと資本主義

 さて、初めてのお題はいきなりクリエイターについてだ。実は僕、つい最近まで小説家を目指していた。”目指していた”ということはもう諦めたのか?と、思うかもしれないがそれは少し語弊がある。どういうことなのか、説明をしていこうと思う。

 

 そもそも、我々が生きている社会、特に日本は資本主義社会である。”世の中の全ては金である”という発言をする人間がいたら彼は大きな間違いを犯している。なぜなら、金で解決できる事柄は仕事(=ビジネス)に限られるからだ。プライベートな部分は金ではなく人間としての在り方によって対処しなくてはならない。

 

 賢明な読者諸氏はもうお気づきだろう。そう、世の中の全ては金ではない。だが、仕事(=ビジネス)は金である。正確には金に基づいて公正に行われる行為が資本主義社会における仕事の定義なのかもしれない。いずれにせよ、仕事に関しては金が重要な役目を果たしている。それは、会社の資本であったり、我々が手にする給与であったりするものかもしれないし、もっと他の形をとっているかもしれない。

 

 上記から言いたいとこは一つだけである。仕事をする上では金について考えなくてはならないということである。そう、例え我々がクリエイターという職業に就くことになろうともクリエイターを趣味でやるのではなく、ビジネスとして行うのなら金は切っても切り離せないものである。

 

 例えば小説家。現在の出版業界の書籍市場規模は8千億円だが、文庫の市場規模は1千億円程度である。漫画業界はコミックスで2千億円、電子書籍市場は1千4百億円のうち8割の1千億円近くがコミックスらしい。とにかく、書籍市場の規模は年々下がっているし、日本人の人口も減っておりこれ以上の市場拡大は見込めないだろう。

 

 ここで、ダン・ブラウンという作家をご存知だろうか。彼は2014年のフォーブズによるとその年の収入は28億円だったらしい。村上春樹石田衣良でもせいぜい1億円稼げれば良い日本における書籍市場の現状に比べると破格の年収を叩き出している。何故か? 彼は英語で本を出版しているからである。英語を読める人間は日本人の何倍いるだろうか。私は具体的な数字はわからないが、日本人の作家の年収と比較しておよそ28倍くらいいるのではないかと予想する。つまり、日本の人口を1億人とすれば、世界人口が64億人、そのうちの半数は英語圏なのではないだろうか。(調べてみた結果1/4が英語圏らしい。つまり、世界人口70億人において18億人くらいである。)ともかく、英語圏で出版できる外国の作家と日本の市場でしか勝負できない日本人作家では、はじめから大きな差が存在するということだ。

 

 次に、漫画と小説の比較をしようと思う。漫画は世界に出しやすいが、小説は違う。何故か? 漫画は台詞を英語に変えるだけで済むからだ。つまり、漫画は小説の地の文を絵としている点で外国語への転換が容易なわけだ。(情報を圧縮しているとも言えるかもしれない。絵にすることで言葉の情報を圧縮できるという考え方はおもしろい考察ができるかもしれない)ともかく、小説を英語圏に売りつけるのは非常に難しいことだけは伝わっただろう。

 

 なぜ、ここまで金について話しているのかは前述した通りだ。つまり、英語圏の市場を取れない時点で日本語で書く小説家という職業は資本主義的にはナンセンスである。と言わざるを得ない。もう、資本主義的にナンセンスであるのならばそれは職業というよりもヴォランティアや趣味に近いと言ったほうがいいかもしれない。(だが、ここまでクリエイターはナンセンスと言っておきながらクリエイターを目指した方が良い人間もいる。それについては後述する。)

 

 さて、ビジネス脳をしているならば、漫画家を目指せばよかろう。という結論に至るかもしれない。確かに、漫画であれば外国の市場に持って行きやすい。だが、漫画家の欠点としては一人で作品を作るのが困難であるという点が挙げられる。より正確に述べるならばアシスタントが必要な職業なのである。確かに、漫画家は市場的には優れている。(事実、コミックスの市場は文庫市場の2倍のある。)だが、その優位性は漫画業界にとって恩恵があるだけで、漫画家にとってはあまり恩恵はないかもしれない。(私は漫画に詳しくないのでここらへんは漫画家に聞いてほしい)

 

 ここまでで、結論を出そう。職業としてのクリエイターはその職業以外になれない人間がなるべき職業だと僕は考える。例えば、今の君が就職活動をしたけれど、中小企業すらまともに受からずにコンビニ店員のアルバイトしか受からなかったとしよう。(理由はいろいろある。君がコミュ障であったり、君の能力が求めている水準よりはるかに低かったり……)いわゆるフリーターである。その状況ならば、クリエイターになって人生一発逆転を狙うというのは資本主義的にはアリな選択だと思う。事実、小説家の平均的な年収はサラリーマンの平均的な年収より少し安いくらいだ。実際問題として、中小企業にすら受からない君はおそらく一生フリーターとして食っていくことになるだろうから、それならば小説家を目指したほうが職業選択としては良いだろう。だが、もし君に大企業の名前が入った企業(東芝○○とか)に入れるぐらいの能力があるのならばその企業で上を目指すか、もしくは数年後に独立することを視野に入れて行動を起こしたほうが良いだろう。なぜならば、君は社会が求めているスキルを現状で持っているからだ。そして、その君が持っているスキルは小説を書くスキルや漫画を描くスキル、アニメーションを作るスキルよりも現在となっては、はるかに市場価値の高いスキルなのだ。もし、君がどうしてもクリエイターになりたいのならば大企業の派閥争いに負けて出世レースから外れるか、起業したが失敗して無一文になってからでも十二分に間に合う。それどころか、もしかしたらその頃になったら君にとってもっと面白いクリエイターの仕事があるかもしれない。(現在で言えばユーチューバーやゲーム実況、歌ってみたなど)

 

 ということで、職業選択の際は現在自分が持っているスキルの市場価値をよく見極める必要がある。自分のなりたい職業の市場価値と自分が持っているスキルの市場価値を比較しより高い方を自分の職業にした方が良い選択になるだろう。(趣味ならば自分の好きなことをすれば良い。また、金持ちの道楽でも好きなことをすれば良い。ここではあくまで一般人における仕事の話である)

 

 とはいうもののやはり、小説で金儲けがしたいという気持ちはあるので次回は小説のビジネスモデルについて考えてみたい。

 

 最後に記しておくが、これは現在の僕の考えだ。明日にはこの考えが変わっいる可能性だってある。とにかく、これは僕の日記みたいなものだから感情的にならないでほしい。